電話を切って、ただ呆然としていた。


……待てよ?
『息子の世話係』ってことは、だよ?




「あたし……東條の世話係に、なんの?」




嘘でしょ!?
あり得ないよね!?

なんで、なんで……




「──東條のバッカやろーっ‼‼」




この叫び声は虚しく屋上に響いた。


そもそもあたしが東條を嫌いな理由。
一つは、金持ちを自慢してる事。

そしてもう一つ。
それは……アイツの裏の性格を知っているから。



何が王子だ‼
あんなの、ただの猫かぶりじゃんっ。


あたしがアイツの裏の性格を知ってしまったのは、ほんとに偶然。
いや、逆に知りたくもなかった事。





『バラしたら……その場で犯すよ?』



その時から、あたしは極力アイツと関わらないようにしてきた。

なのに……‼




「……最悪だあー‼‼」