顔を上げた途端、いきなりキスされた。

な、なに!?




「やべぇ……」



「はあ?」



「……泣き顔、そそられた」



はあ!?


そんなあたしに、東條はお構いなしに近付いてくる。

ちっ、近い近い‼




「ちょ……ダメだって‼」



「何で」



「何で、って言うか……

……っと、とにかくダメなの‼離れてっ」




そうだよ。
あたし、いっつも東條に流されてるし……


流されちゃダメだ‼

あたしは今、めちゃくちゃ怒ってるんだもん‼




「蘭」



「……なに」



「キスしていい?」



……っ!?

びっくりしたあたしは、思わず振り向いた。


その時。



「隙、ありすぎですケド?」