※葉月side

「葉月...学校...」

ベットの縁に座っている僕の手を璃花が
掴んだ。

「ダメ」

璃花はしゅんとしていたけれどまた僕の手をぎゅっと掴んだ。

「大丈夫だから、お願い」

「......あのさ」

ハァとため息をついて片手で額を押さえた。

璃花はじっとこちらを見てる。
勘弁してくれ。純粋で綺麗な瞳が僕を映していて、僕は顔を背けた。

ドロップから解放されて、本来の自分に
戻った璃花はすごく無邪気で
そんな璃花をあしらうことが全然出来ない。

ドロップの時は口元に歪んだ笑みを浮かべ、黒いパーカーとフードで身を隠し、どんな
不可能も何事も無かったかのようにこなしてしまう、そんな人だった。