急いで璃花を連れ戻すか、liveを潰そうと

するか。

俺のなかでは藤堂はそのどちらかの手段を取
ると思っていた。

でも、藤堂は。



「鮎美から連絡が来た。」


救護室を訪ねてきた藤堂の最初の一言目が

これだった。


バレてる...そう思った。


いつから?どうして?どこから漏れた


みどりはありえない。


取り敢えず『B』と送ろうとした。


「早まっても此処は潰せねぇよ」

驚いて振り返る。

藤堂はさっきと同じ救護室のドアの所に寄り掛かるように立っていて。

「まだ鮎美から連絡が来た。しか言ってねぇ

だろ。」

目を、見開いた。

「と...藤、堂?」


苦笑、していた。

歪んだ笑顔じゃない、あの時のまだ璃花と
出会う前の、

「なんだその顔。」


俺が拾われたあの時の、あの時の藤堂が

目の前にいる。