キアラが家を出ると、俺は必ずあいつの部屋へ行く。
今もそうだ。

「・・・。汚ねぇ・・・」

この家は、一応財閥の家だ。
つまり。俺たちはお坊ちゃま、お嬢様ということになるが・・・。

めっちゃ汚い。
黒で統一されたシックな部屋はキアラによってぐちゃぐちゃになっていた。

「(どうやったらこんなw)」

いつもの光景に笑みを隠せない。
まずはベッドを整えよう。

ベッドへ歩み寄ると、シーツを剥がし布団を整えた。

「ゲホッ!ゲホッ!」

舞い散るホコリを吸ってしまったのか、むせてしまう。

綺麗になった布団を見て、得意げになった。