最後の一人を倒したところで身体に強い衝撃が走った。


「っ⁈」

「風音!」


どうやら何かで撃たれたようだ。


「ぐっ・・・」

「フフフ~、ごめんね。直接撃った方が確実かと思って。さて、こっちおいで、風音ちゃん」

「はい、マスター・・・」

「風音?」


中里に近づいていく風音。
一歩、また一歩と。

彼女は中里まであと三歩ほどのところで立ち止まった。


「どうしたの?風音ちゃん」

「言うことを聞くと思ったか?」


突然、中里の目の前から風音が消えた。


「こっちだ」


ふと後ろから声がした。
振り向いた瞬間。中里の視界には黒い翼が片方にだけ生えた少女がいた。
右腕には彼女の目と同じ青い鱗があった。


「さよならだ」


風音の右手には何か動く物があった。