静かだ。
いや、静かすぎる。
人の気配すらない。


「(なんだ?この妙な違和感は)」

「・・・」

「・・・! 黒百合!伏せろ!」

「ッ!」


黒百合を庇いながら伏せた途端、無数の銃弾がこちらへ飛んできた。

静かだった理由はこの銃達への緊張だろうか。


「風音! 大丈夫か!」

「うっ・・・」


不覚にも利き腕に当ててしまった。
しかし、自分の腕がなければ黒百合が重症を負った。

「これくらい平気だ」