「そう。よかった!でも、突然どうしたの?持病でもあるの?」

「持病、か。あるよ。心臓が悪い。それと・・・」

「? それと?」

「記憶がないんだ。悪いのしか。記憶喪失の一種らしい。だから、作文の内容を聞いた時フラッシュバックしてしまって。それで・・・」

「そっか。ごめん、また思い出させちゃったね」

「いや、いいんだ。・・・あんたの音は、いい音だな」

「?」

「気にするな」

彼は温かい綺麗な心音だった。
人間にこんな人がいるとは。知らなかったな。


「キアラちゃん!!」

私は、意識を手放してしまった。







キアラsideend