【第4話】


そもそも。私と一ノ瀬くんの出会いは、入学したての頃だ。

私は友達がいなくて、いつも屋上の隅で
お弁当を食べていた。

そこに、一ノ瀬くんが声をかけてくれたの。

「ねぇ。君のことを気になっている女の子がいるんだけど・・・」

その、私のことを気になっている女の子は、つむぎだった。

一ノ瀬くんのおかげで、私はつむぎと出会えることができたんだ。
でも、一ノ瀬くんは もう覚えてないと思う。なんてったって1年以上前だもん。

トントン
つむぎが授業中なのに、後ろを向いて私の机をトントンしてきた。何か言いたいのかな?

「な、なに?」
私は先生に気づかれないように小声で聞いた。

「今日さ合コン行こうよ!このクラスの何人かと!」
私の小声を気にしないように、張り切った声で私を合コンに誘った。

「えー!行かないよ。」
私は断った。いやだよ。もう好きな人いるのに。

「えー!なんで!?高校生には恋でしょ!?あ、それとも・・・好きな人いるとか?」
ドキッ。好きな人いないフリ!いないフリしないと!

「・・・・・・・・・行かないかなと思ったけど、暇だから行こうかな?」
私は多分、顔が引きつっているだろう。
でも、こうしないと、片思いができなくなる。事務所に影響がでないようにしないと。

つむぎは私の返事に「やったー!」っと声を上げて言ったので、先生に注意されていた。