【第3話】


朝、学校に着いてつむぎと教室に向かっているんだけど、つむぎの顔を見るたびに罪悪感でいっぱいいっぱいになる。

あーあ。なんで私はこんなに臆病なんだろう?

「お、王子様、もう着いてる!」

つむぎの言葉にドキッとした。

「ふーーーー」

つむぎに気づかれないよう、気合を入れて、今日もフリ、貫こう。

「そーら!おはよ!」
つむぎはふつーに一ノ瀬くんに挨拶をする。
一ノ瀬くんも男子達との会話を1回やめて、こっちを見て笑顔で、おはようって言ってくれた。

あ、一ノ瀬くんの特徴、外見しか言ってなかったよね?
一ノ瀬くんはクールで、あんまり女子と絡まないんだけど、女子を来る者拒まず、去る者追わずって感じの人。(変態な意味じゃないよ!会話とかで!)

でも、女子の中でもぬけがけする人はいなくて、皆 『王子様』を見守るメイドって感じ。

つむぎは一ノ瀬くんに挨拶してくれて満足なのかにっこりして自分の席についた。

つむぎはいいなぁ。一ノ瀬くんに自分から声をかけれて。
まぁつむぎがフレンドリーなのも一因なのかもしれない。

ショートカットで、可愛くて、制服の着崩しもセンスがある。

その点、私は髪は腰より長くて、制服は標準型。どこにでもいそうな、地味な女の子。
まぁこんな人が、あの、人気グループの歌を作ってるって知ったら皆大騒ぎだろうな。言わないけど。

私はいいんだ。たくさんの人が恋を聞いてくれるから。