「なぁ かなで?本当は家で なんかあっただろ?」
そら君が私の横に座った。
ここは屋上。今日は つむぎが用事があるから、屋上でお弁当を食べてます。

「え?え、なんもないよ?」
私は ぎくしゃくしてるな~と感じながらも そら君に笑顔を見せた。

「うそつけ。かなでは なんか悩んだりしたら屋上に来るって つむぎが言ってたぞ」
そら君が私の顔を覗き込みながら言った。
・・・親友は なんでもお見通しね。あ、つむぎだけにはパパとケンカしたこと言ったんだっけ。

「実はね・・・」
私は そら君に昨日の事を話した。
そら君は 当然、パパの性格に驚いてたけど、理解はしたよう。

「そーだったんだ。俺達が遅くまで お邪魔してたから 見られちゃって こんな事になったんだよな。ごめん」
そら君は申し訳なさそうに言った。

「いや!全然!私が夢の話してこじれたのもあるし・・・」
私は両手でそら君の言葉を否定した。

「しかも・・・パパの性格にも問題はあるし!!!!」
私は昨日の事を思い出して怒りながら言った。

「でもさ・・・その分 かなでが大好きで大切な娘っていう表現の表れだろ?
そんな親、羨ましーけどなぁ~」
そら君は空を見上げながら言った。
あ・・・そっか。そら君は親が長年 海外出張なんだっけ?

私が しゅーんとしてるのに気づいたのか、そら君が急に声のトーンを上げて
「あー!そうだ!そういえばさ・・・・・・・・・あの・・・えっ・・・と。あ、かなで 髪短いのも可愛いよな!」
そら君が何か話題を出そうと必死だ。
ふふ。 そら君ありがとう。

「って・・・ええぇ!?私が可愛い!?」
私はそら君の言葉にびっくりした。
そら君も はっと我に返ったようで、

「あ、それは違うんだ!
いや、違くもないんだけど・・・
あー!俺、ちょーダセーじゃん・・・」
そら君が恥ずかしそうに、右手で顔を隠した。

「そら君、ありがとう。・・・ちょっとまって・・・慌ててる そら君 面白すぎ・・・」
私は半分 笑いながら言った。
そら君が え!?っという顔になった。

「まぁ かなでが笑ってくれたなら良かったかな」
そら君が複雑そうな顔で言った。