【第24話】


ドレッサーの前でクシで頭の髪の毛を整える。クシは私の胸のところで髪から離れた。
私・・・髪、切りました。もちろん、自分で。
髪は膝丈から胸のところまで、セミロングにしました。少し大変だったなぁ。
長い髪は、父親が伸ばしてって言ってたから伸ばしてたけど、昨日、パパとケンカしたから もう怒りで切っちゃった。

制服を着て、リビングに出る。
すると、コーヒーを飲んでいたパパと、料理をしていたママの目が丸くなった。

「パパ、ママ。私、髪 切った。
パパの親バカが治るまでは、私、髪伸ばさないから」
私はパパとママに言い切って家を出た。
パパの顔は・・・悲しそうだった。
でも・・・パパが悪いんだもん。


「かなぁ~おっはよー!
・・・って ええぇ!?かな、髪切ったの!?」
つむぎが鞄を机にボンッと置いて、私の髪を触った。

「うん・・・昨日、パパとケンカしちゃって・・・。切っちゃった」
私は似合わない?と目で聞くように つむぎを見た。

「うん、めっちゃ・・・いや、前よりも可愛いけど、大丈夫なの?パパさん」
つむぎは短くなった私の髪をスルスルっと触って言った。

「うん!大丈夫だよ!」
私はにこっとして言った。

「あ、あれぇ~!?かなさん、髪切っちゃったぁー?」
こうき君が教室の入口から大声を出した。

「うん~切ったー!頭軽くていーね!」
私は精一杯の笑顔で 教室に入ってくる こうき君に言った。

「ぶっ!なんちゅー感想だよ。でも、かなで似合ってるよ」
そら君がこうき君の後ろで言った。
そら君に 似合ってるって言われた!嬉し。

「でも・・・なんで切ったんだ?」
こうき君が痛い所を聞いてきた。私・・・こうき君とそら君に変な心配かけたくない。

「頭 軽いってどんな感じなのかな~って思って、切ったの!」
私は にこっとして言った。
パパとケンカして切ったなんて子供みたいなこと言えない。

「・・・そっか!ってか髪短い かなさんも可愛い!!もっかい告白していい?」
こうき君が冗談半分で言ってきた。

「バカ!かなが あんたを彼氏にするわけないしょ!」
つむぎがバシッと こうき君の背中を叩いた。