【第21話】


「あ、ねーね。今日、どっかいかない?」
つむぎがご飯を満足そうに食べながら、口を開いた。

「お、いーねいーね。どこ行く?」
こうきくんも つむぎの案にのる。

「あ・・・でもさ、お前ら親とか大丈夫なのか?」
一ノ瀬くんが不安そうに言った。しっかり者だから気にしてしまうんだろうな。

「あ~ウチはだいじょーぶよん!」
つむぎが手を上げて言う。

「あ、私も・・・大丈夫。」
私も つむぎの後に続いた。

「あ!俺はね、だいじy」
「おし、みんなおっけーだな!」
こうきくんが言いかけているところに、一ノ瀬くんが割り切った。

「おい~俺のも最後まで聞けよ~」
こうきくんが一ノ瀬くんの肩にもたれかかる。

「あ、あれは?かなの家!」
つむぎが突然と言った。え・・・えぇ!?
私の家!?

「ちょ・・・つむぎ!」
私は つむぎの肩をつかんだ。

「いーじゃん!かなママもいないしょ?」
つむぎがケラケラと言う。
そーだけど・・・。

「行きたい行きたい!かなでの家行きたいー!」
こうきくんも つむぎに賛成のようだ・・・。
でも・・・私、部屋の掃除とかしてないし・・・。

つむぎとこうきくんが一ノ瀬くんを じっと見ていた。
「俺は・・・鈴がいいなら」
一ノ瀬くんは悟ったように言った。
少しだけ、申し訳なさそうだ。

「・・・うん・・・。分かった。いーよ」
私は顔を上げて3人に言った。
こうきくんとつむぎは肩を組んで喜んだ。
私の家って・・・別に楽しくないと思うんだけど・・・。