【第18話】


「お!かなでの料理食べたーい!!!!」
こうきくんが小学生のように無邪気に声を上げた。

「え!私・・・簡単な物しか作れないよ?」
私は こうきくんに念を押すように言った。

「いーよ!俺も鈴の食べてみたい。」
一ノ瀬くんが 私に言ってくれた。
はぁ~!一ノ瀬くんに そんなこと言ってもらえる日が来るなんて!

私は 嬉しくて、美味しいご飯を作ろうと心で意気込んだ。

「はい。三種類しか作れなくてごめんね?」
私は 肉と野菜のいため、ほうれん草のおひたし。卵があったのでオムライスを作った。
・・・バランスは万全じゃないんだけど。

「う~!かなでの美味しい!!!!」
こうきくんが箸を握りしめながら言った。

「うん。ほんと美味しい。
少ない食材で こんな美味しいの作ってくれてありがとう。ほんと、鈴すげーよ。」
一ノ瀬くんも褒めてくれた。
あー!ほんと嬉しい!!!!
メモしましょ。歌詞歌詞!!!!

「ねねね。風呂どーする?」
つむぎがカラになったオムライスの皿をスプーンでツンツンしながら言った。

「あーこうきとつむぎはどうでもいいけど。鈴な~!」
あ・・・。つむぎもどうでもいいんだ。
でも・・・急遽、泊まらせてもらうのにお風呂までは甘えすぎだよね?

「私、タオルで身体吹くだけでいいかな」
私は 恐れ多くて、小さく手を上げた。

「えー!女子は風呂 入んねーと気持ちわりーだろ?それとも・・・俺と入る???」
こうきくんが気を使ってくれた(?)。
ふふふ。私・・・こうきくんの気持ちに答えられなかったのに、いつも通り接してくれて。嬉しいな。

「バカ。変態かよ。
まず!つむぎと鈴で入りな。着替えは・・・俺のTシャツ短パンでいいよな?」
こうきくんの頭を叩きながら一ノ瀬くんが言った。てゆか!一ノ瀬くんの服を着れるとは!今日は寝れないかも・・・。

「おっけー!じゃ~かな、入ってこよ?」
もうお湯は溜まってたらしく、私達はすぐにお湯に浸かることができた。

チャポ・・・。
この浴槽に、一ノ瀬くんが入ったかと思うと・・・。これは 私、変態確定だ・・・。とほほ。
「あーきもちい!そらの家の風呂、でかいね~」
つむぎが私の反対側に浸かった。
確かに・・・女子高生2人で入っても、まだ1人くらいは入れそうだ。
一ノ瀬くん・・・なにかとお坊ちゃま?