「なんでっ……!」 もう水分なんか無いはずなのに涙が頬をつたう。 どれだけ泣いたって、あの人が私に笑いかけてくれる事は 二度と、ない。 白い顔にかかる癖のある黒髪を静かにすく。 そして、少し乾いたあの人の唇に自分の唇をあてる。 それが大好きな人と交わす最後のキスだった。 “なんで泣いてんの。 大丈夫だって、俺がずっと傍に居てやるから。 俺がお前を守るから――”