Real Heart

あの人とはじめて会ったのは、このベンチだった。


五年前のこの時季、

私は10年以上飼っていたペットが死んでしまい、一人で泣いていた。


すると急に誰かが隣に座った音がするので

顔を上げそちらを見ると、全く知らない男の子がいた。



「あっ、全然怪しくなんかないよ」


そんな風に言われると怪しく感じるんだけど。

こちらの思いを知ってか知らずか、男の子は話を続ける。


「ねぇ、なんで泣いてるの?」

「あ、あなたには……かんけ、いないでっ、しょう」


泣きすぎて上手く喋る事が出来ない。


「あるよっ!」

「えっ?」


急に勢いよく答えたので、

きょとんとして男の子を見つめると、何やら慌てたように


「あっ!えっと、そのぉ~……」


言い終える頃には尻すぼみになっていった。

それと同時に顔が赤くなっていく。

耳まで真っ赤。


「き、君が泣くのなんか誰も望んでないよ。君には笑顔の方が似合ってる」