耳に響く、甲高い笑い声。

長い前髪が水とともに滴り、濡れてへばりつく制服が気持ち悪い。

−主人公side−

私が呼び出されたのは校舎の裏。
人は1人も見当たらない暗くて不気味な場所だ。

「今日も殴られるのかなぁ。」

1人ため息をついていると突然頭の上から水をかけられた。

「ははっ。バッカ、死ね、ブース。」

上を見上げると校舎の窓から笑う1人の女。A。

ふわふわしたブラウンの髪、ぱっちりとした二重、白い肌、誰もが見惚れる美しい彼女の笑顔も、私にとっては醜い悪魔のようにしか見えなかった。


私が通うB学園は国内最高級のお金持ち学校だ。

様々な業界のトップたちを親にもつ子たちが全国から集まる。

そんな今まで親のお金で好き勝手してきた彼女らが集まるこの学園ではいじめは日常茶飯事である。

狙われるのは無論私のような子である。

今時あり得ない、お笑い芸人かよっ、と突っ込まれるような瓶底眼鏡、腰まで伸びた黒いロングヘアーを2つに分けた三つ編みに長い前髪。

いわゆる地味子である。

そんなこの学園に不似合いな私が入学できたのは