…その時。

バッ…
という音と同時に私を触っていた手が離された。
後ろを向くと、そこには浅井くんがいた。

「おい、おっさん。通報されたくなかったらこの子から離れろ」

浅井君…?
どうして?

「あ、いや…その…」
おじさんが喋ったと同時にその手をつかむ強さが強くなり、キリキリと音がする

…目が怖い
その迫力のあまり、おじさんは謝りながら次の駅で降りていった。

「な…んでここに…?」
驚きを隠せなかった。

「俺がいつも乗ってるとこ一個前だからさ」
「そ、そうなんだ…」