100万回の祈り。

電車を降りて、少し歩くとすぐに学校についた。
昇降口で靴を脱いでいると背後に誰かの存在を感じる。
菜々はその人を確認するとさっさと行ってしまった…

誰かな…?
フイッと振り向くと、そこには紛れもなく

…浅井君だ。

「おはよ。田元だよね?」
目が合って気まずい空気の中最初に口を開いたのは浅井君だ。

…やばい。どうしよう。
緊張しすぎて顔が赤くなるのが自分でもわかる。
今更じゃ遅いけど、先に行ってしまった菜々をちょっぴり恨む。

緊張と焦りで頭の中が真っ白だ。
頑張れ、頑張るんだ鈴音!!

「…は、はい!」
声を出したのと同時にドッと体中が熱くなった

変な人に思われたかな…。
恥ずかしすぎて下を向くと、浅井君はフッと笑って行ってしまった。