それでも走るのをやめなかった。
服装からして、陸上部かな?ずっと走ってるしね。

二人が帰ったあともその人は何周も走っていて、私の目の前を何度も通り過ぎた。
なぜだか私の前を通る度、スローモーションみたいに見えた。

爽やかな香り
頬を伝う汗

なんだろう…この感じ。

胸が熱いよ…。


私は結局、あの人が走り終わってダウンが終わるまで座ってみていた。時間が過ぎるのが早くて。
あっという間に感じたんだ。

私は一人で帰り道を歩いた。
あの人、なんて名前なんだろう。
何年生なんだろう。
もっと知りたい。


…近づきたいよ。