あまりの次元の違う話に不安になってくる。
麻生の御曹司と付き合うと言う事は、危険を伴うと言われて、はい、そうですかなんて納得できない。


「不安にさせないってさっき言ったばかりなのに」


「言ったら、お前はここにいないだろう」


うっ…


「私はあなたの足枷になるのね。それなら…」


「今更なかった事になんてさせない。俺のマンションに引っ越してくればいいだけだ」


「横暴よ。私の意思はないの?」


「そう言ってまた、逃げるのか?どう足掻こうが、一緒に住むのは決定だ」


「まだ、そんな関係じゃないのに」


ボソッと呟いた抗議の声に彼が距離を縮め、そっと腰を抱きしめてきた。


「そんな関係って、期待しているのか!それなら今夜すぐに期待にそえてやろう」


妖しい笑みを浮かべ、私の唇を彼の指先がなぞる。


期待と、不安に背筋が泡立ち身震いした。


「鬼ごっこは終わりだ。もう逃しはしない」


クスリと笑った彼の顔に、逃げられないと悟った。


自然と重なった唇は、忘れられなかった記憶を呼び起こす。


探るようなキス、そして蕩けるキスに変わり、その先にある、お互いの熱を求め淫らに舌を絡め深まるキス。