リョウオモイ

『え、ありがとう。じゃあ決まり。』
学級委員の嬉しそうな声が聞こえた。
『ダブル森田じゃん!』
とどこからか飛んできたその野次に、隣の席の人の苗字が同じだと知る。
横目でちらっと見てみると、昨日見せた無愛想な顔とは全然違う顔があった。
笑うんだ、この人も。
なんて思って眺めていると、彼が急にこちらを見たため目が合ってしまった。
『なに、なんか用?』
なんと昨日の無愛想な顔に戻っていた。
驚きで目をキョロキョロさせてしまった。
こんな短時間で表情変えられるなんて驚き以外のなにものでもないよ。