ひたすら走って、走って走って…
着いたのは2つ先の駅、夢駅だった。
視界は歪み、足もフラフラする中、意味もなく歩き続けた。
すると公園が見えてきて、そこには母らしき姿と母を私や父から奪っていった男がいたのだった。
必死に立って一歩ずつ歩いた。
近づくほどに曖昧だった顔がはっきりと見えてきて、涙でまた歪んでいった。
『どうして??』
母が驚いたように私を見た。
『この子は誰?』
隣の男が母に尋ねる。
『知らないわ、行きましょう。』