10分くらい歩くと公園が目の前にある場所で俊が止まり、『ここ』とだけ言った。
そこには滑り台とシーソーとブランコと鉄棒があるだけでまだお昼過ぎだというのに小さい子が1人もいない。
っていうか誰も居なかった。
私は懐かしさのあまり泣きそうになった。
俊が中へ入りブランコに座る。
それに続き私も横のブランコへと座った。
冷静なフリをしてわざと空を見上げた。
どうしてここを知っているのだろう。
『俺、初めて結衣をここで見たんだ。』
『え…』
『その時の泣き顔が忘れられなくて、気づいたらお前のこと考えてて、なんてゆうかすごく胸が苦しくなった。』