『俺の顔はどう見ても俊だろ。』
『は、どこがよ。』
とつんけんした口調でムキになって答える私をみて笑っていた。
それは初めの印象とは大きく変わるものだった。
柔らかく優しい笑顔をしていた。
『これからは下で呼ぼうな。』
『うん、わかった!』
俊の優しい口調に思わず笑みがこぼれた。
さっきの気まずさも嫌な雰囲気も今はどこにもない。
こんな短時間で人の印象をがらりと変えたあの笑顔はすごいと思った。
それから委員会が始まるまではお互い本を読み沈黙だった。
でも決して嫌なものではなかった。
なぜだろう、ふわふわした気持ちになった。