「…まだある?」
「もうひとつ,いいですか?」
平口さんはコクリと頷いた。
「……暁は,なんの病気
なんですか……?」
これが1番知りたいこと。
ダイスキな暁の命を蝕んでる
悪魔を知っておきたい。
「うん…,前にも訊いて
きたよね。
暁くんは,白血病なのよ」
…――"白血病"?
よく,ドラマとかになってる?
あの病気が――暁の
命を蝕んでるの……?
あれって,治るんじゃ
なかったっけ?
骨髄なんとかってヤツとか
で治るんじゃなかったの?
「暁に,骨髄なんとかってヤツ
できないんですか――?」
「ああ,骨髄移植ね。
暁くんには家族がいない
でしょ? 母親,兄弟なんか
だと,高い確率で骨髄が
あうの。だけど,他人って
なると,確率はごくわずか
しかないの」
――そんな!
「でも暁…,髪がある…」
「治療を,半年前から
止めているの」
…?!
治療を止めている?
それって,死ぬのを覚悟してる
ってことだよね?

