紅い月が離れるとき



いつもと違う,暁…。



しんとした病室に
暁と医者1人と平口さんが
暁のベッドのそばに
立っていた。


「…え? どうしたんですか?…」


「柚苗ちゃん…あのね」


ふいに見えた,暁の顔。



スヤスヤ眠っている…
その顔には―――


酸素マスク……。



「えっ!? なに……,暁っ!?
ど…どうなってるの!?」


とにかくあたしの
頭はパニックになっていた。



酸素マスクって…危ない時
とか,自分で息が出来ない
ときにするものでしょ!?


暁――死んじゃうの…?