帰り、束李は美陽に言う。

「美陽だって本当は楽しみでしょ?」
「何が?」
「クリスマス!」

横から入ってきた龍月に束李は答える。

「ああ、クリスマスか」

前に美陽と悠琉が並んで歩き、その後ろを束李と龍月が並んで歩く。

「クリスマスパーティーやる?」

龍月が3人に提案する。

「俺はいいけど」

と悠琉が言う。

「私も大丈夫です!」

と美陽も続けて言った。
美陽はずっとブツブツ言い続ける束李に言う。

「確かに今年はいつもよりかは楽しみだけど…」
「だけど?」

照れながらも真剣に。

「テストで補習になってしまったら、それこそ本末転倒でしょ?だから私は言うの。浮かれて気を抜いていたらクリスマスも無くなるよって」

美陽がそう言うと悠琉が美陽に聞く。

「美陽はいつまでサンタさん信じてたの?」

美陽は首をかしげた。
代わりに束李が答える。

「勝谷先輩、美陽はまだ信じていますよー」
「「えっ!?」」

束李の言葉に龍月と悠琉が驚く。
束李が美陽に言う。

「今年も楽しみだね、クリスマスプレゼント」

束李の言葉に美陽は大きく子供っぽく頷いた。