最寄りの駅からバスを数分乗ったところに予約したコテージはある。
管理人から説明を聞き、4人は準備を始めた。
火の扱いは龍月と悠琉が、食材を切るのは束李と美陽が手分けしてやった。

「束李、切れたの先輩たちのところに持って行ってもらえる?」
「うん、分かった!」

美陽は切った野菜を大きめの笊に盛り、束李に運ばせた。
美陽は片づけながらもお肉や魚の準備を手際よくこなしていく。
その姿はまるで職人だった。

「よし、悠琉。俺が焼くからお皿とか飲み物任せた」
「分かった、取ってくる」

束李と入れ替わりで悠琉が中に入る。

「美陽、お皿もらえる?」
「あ、待ってください」

美陽は洗ったお皿を4枚重ねて悠琉に渡した。

「私はコップと飲み物持っていきますね!」
「うん、頼む」

外に出ると、龍月と束李が楽しそうに焼いていた。
主に焼くのは龍月であり、束李はそれを横で見てるだけ。

「おう、お前らもう少し待ってくれ!」

束李は美陽に駆け寄ってコップにお茶を注ぐ。
悠琉はお皿をテーブルに置いて龍月の様子を見ていた。

「おし、焼けた!お皿くれっ」

龍月が4人のお皿に均等に盛る。

「うっしゃ!かんぱ~い!」
「「「かんぱ~い!!」」」

龍月の掛け声で4人は食べ始める。
美陽もその場の空気に身を任せていた。