「私は先輩に、私の気持ちを聞いてほしくてここに呼びました」

ドクンドクンと心臓が鳴る。

「さっきも言いましたけど、私は…」

顔を赤く染めて恥ずかしくて今にも泣きそうな美陽。
悠琉は美陽の言葉を待つ。
今できるのそれだけ…。

「先輩が好きです…!」

制服のスカートをぎゅっと握りしめる。
悠琉は美陽へ駆け寄り、美陽をぎゅっと強く、けれども優しく抱きしめる。

「ありがとう、俺も美陽が好きだよ。ううん、好きじゃ足りないくらい…愛してる」

悠琉の優しい声に涙が止まらない。
美陽も悠琉の背中に腕を回す。
風が吹き、満開の桜の花びらが舞う。

「先輩に出会えてよかった」
「俺も、美陽に出会えてよかった」

風に舞う桜吹雪は2人を祝っているようだった。