顔を洗ってリビングに戻るとお客様がいた。いや、お客は私の方なのかな。

長身の男女でどちらもスタイル抜群で美形。
もうこれは一体どういう事?修一郎さんの周りにいるのはこんな人ばっかり。阿部さんが倒れた時にいた人達もそうだった。

女性の方が私の姿を見つけるや否や飛び付いてきた。
「きゃー、かわいい!お人形さんみたい」
ふぇっ!
UMAの次はお人形さんなの?
私が呆気ににとられて固まっていると、修一郎さんが間に入ってくれた。

「離れろよ、姉さん。ノエルが怖がるだろ」

そして、美人さんはお姉さんでイケメンさんはお姉さんのダンナさまで修一郎さんの秘書さんをしているのだと紹介された。

「よろしく、ノエルちゃん。私は愛理。こっちはダンナの佐々木守。ノエルちゃんの話を聞いて嬉しくて急いで来ちゃった!」
とにこにこしながら修一郎さんと私の顔を見ている。

愛理さん、本当に美人。
黒でストレートのロングヘアに切れ長のキレイな二重。女優さん並に美しいのに笑うとえくぼができて可愛らしさが漂う。そのギャップにもやられそう。

「修一郎さんの家系ってかなり美形なんですね」ほうっと見とれてしまう。

途端にパンッと腕を叩かれた。
「やだー!ノエルちゃんちだってかなりの美形じゃないのっ!圭介君には何度も会ったことあるわよ。ノエルちゃんとはタイプが違うイケメンよね~。ノエルちゃんは本当にかわいいし!」

そして、私の頭や頬をなでなでとしはじめたからまた、修一郎さんが「やめろ」と私の腕を自分の方に引き寄せて私を後ろ抱きにして愛理さんから引き離した。

「何よ、修一郎のケチ」
ぷくっと頬を膨らませた愛理さんにそれまで黙って微笑していたダンナさまの佐々木さんが口を開き
「お姫さまは修一郎クンのだからね」
と言って愛理さんの腰を抱いた。

な、何だかすごく甘々なご夫婦なんですけど。
見ている私が赤くなりそう。
とはいえ、後ろから抱かれて私も修一郎さんの腕の中にいる。
いきなり何度も距離が近いです!
修一郎さんの息が私の頭の上にかかって一層ドキドキする。