「ど、どうして・・・」

「詳しいことは圭介様から聞いた方がいいでしょう。私はお嬢さまを守るように圭介様から頼まれてここに匿いました」

「え、さっきは私が修一郎さんのところと実家に帰りたくないって言ったからだって言ったじゃない」

「はい、もちろんそうなんですが、ここに連れてきたのはそのためです。でも、そのまま3日も匿うことは想定していませんでしたよ」

「3日???」

「はい。お嬢さまはあれから3日間お休みでした」

うそ・・・。
私の中ではパーティーに行ったのは一昨日なんだけど。

「今日は何曜日?」

パーティーは土曜日だった。私の中では今日は月曜日。

「火曜日です」

「そりゃお腹も空くわけよね」

「まぁ、何回か目覚めて水を飲んだり、お粥を食べたりしたんですが、記憶にありませんか?」

「え?目覚めたのって1回だけじゃないの?」

そうか。睡眠薬投与による記憶障害を起こしているんだ。睡眠と睡眠の間の出来事の記憶がない。

「覚えてない」

「お着替えもご自身でされましたからね」

元林さんはクスッと笑った。

私の考えを読まれたか、私の頬が熱くなる。

「元林さんが私に何かするなんて思ってませんからっ」

「はい。お嬢さまは私にとって娘に近い大切な方ですから、人さまに後ろ指をさされるようなことをするわけがありません」