「なあ、若葉」


「ん・・・何?」


「また、会えるよな?」





陸が切なそうにそう呟く。


私はそんな陸を目の前にして、
涙が滲んできた。


視界をぼやかすそれは、
頬に滴り落ちた。



「陸・・・」


「俺、毎日ちゃんと、
 お前のこと思い出すから。
 忘れても思い出すから」



やめて、
これ以上言われたら私・・・。


泣いてしまう。


「陸・・・」


「だからお前も・・・
 俺のこと・・・―」



「待ってる」



「え?」


「私、陸に会えるの、ずっと待ってる。
 陸が忘れたって、
 私が会いに行く。
 私は陸に関わっていきたい」



そう。


たとえそれがどんなに辛くても。


「陸、嘘をついてごめん。
 私がしたことは間違いだった。
 だけど、私の気持ちは本物だから。
 陸にまた好きになってもらえるように、
 頑張る・・・から・・・っ!」



ああ、陸が行ってしまう。


私から離れていなくなってしまう。


大事な、貴重な時間なのに、
本当に言いたいことは言えないまま。


私はもう、
涙を堪えることは出来なかった。








―行かないで。






その一言が言えずに、
私はただひたすら泣くだけだった。