*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

おさまる気配のないからかいに鏡越しに堀さんをジロッと見ると、その後ろからまた私を見つめている先輩に気付く。

その瞳には、甘い光がきらめき放ち唇を柔らかな線に変えている。

先輩……そんな目で見たら、皆さんに勘違いされないか心配。

……やだ、本当に先輩の新婦になれたと錯覚してしまいそう。


「本当に綺麗ですよ。このまま式挙げてほしいくらい」


「……本当に。今すぐ下鴨神社で挙げたいくらいに……」


「いよっ! もう一声」


先輩は、堀さんの悪ノリにまた現実に戻ってきたような顔をすると、しばし無言で私を見てくる。

この顔は、絶対からかう気だ。

……ほらニヤリとする。


「……今すぐお持ち帰りしたいくらいに」


「グッジョブ! さすが副社長。くるくるくる、あ~れ~って?」


「そうそう。男なら一度はしてみたいよね?」


そして二人して抜群の笑顔でハイタッチ!

森さんは、拍手喝采。

くるくるくる あ~れ~って、悪代官が若い娘の帯を引くやつ?

先輩したいの?


「もう……副社長まで悪ノリしすぎです!」


私は、振り返って先輩をプチ睨み。


「すみません」


「あらら、もう尻に敷かれましたか……」


「うちの嫁……脱いだら凄いのよ」


何言ってるの!? 見たことないくせにっ。

私の茹でタコ顔に、三人は揃って大爆笑!

もう……私までつられて笑ってしまう。

でもスタイルには、結構自信あり。

サロンでもよく羨ましがられるし。

脱いだら凄いも、あながち嘘ではございません。