バスルームから出ると、先輩はまだバスローブ姿でリビング中央壁に配置されたオフホワに濃いピンク系のファンシーな二人掛け花柄ソファーで新聞を見ていた。

京都の部屋で花柄なんて意外だけど、やっぱりスイートだから?

ソファーの両脇には、木製のミニテーブルがあり、その上にはスタンドライトが置かれている。

先輩は、私に目を向けるとしばし無言のままガン見するから、両肩に掛けられた白いバスタオルでサッと両頬を隠し目をそらし、早歩きでベッド
ルームに向かう。

すると後ろから僅かに笑い声が漏れてくる。


「隠すことないし。大して変わってないから御安心を。美愛ちゃんナチュラルメイクじゃん。例え盛りメイクしてても、すっぴんも可愛いから大丈夫」


大して変わってない……

それ誉め言葉か慰め、どっち?