何度か恋愛もした。

恋の幸せも悲しみも痛みも経験した。

その経験の全てが、この恋に辿り着く為のプログラム、先輩と再び恋に落ちる為の大切なプロセスだったのかもしれない。

大好きで堪らない先輩の腕の中で、唇から狂おしい炎のような愛を惜しみ無く注がれながらふとそんなふうに思った。

数分後、長いキスの余韻に浸るようゆっくりと唇を外しながら開かれ潤んだ瞳は、真実の愛を詰めて私を甘やかに包んでくれていた。

その瞳は、とても言葉だけでは伝え切れない想いを、私に真っ直ぐ伝えようとしているよう。

しばらく私を宿す甘い瞳を一心に見つめていると、この身を大切に包む男らしい腕が緩み、この体はフワリ軽やかに宙に浮かんだ。そしてすぐ右にある広々とした真っ白いベッド上に、まるで繊細なガラス細工を置くように、そっと下ろされたのだった。