*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

「本当は、凄い違和感です」


私は、思い出したようにリングを外してテーブルに置く。


「……本物の予定は?」


「全く」


リングを見つめたまま低い声での質問に即答えると、先輩は少し唇を歪めて私に視線を寄せる。


「でもいるだろ?」


「……一応。でもそんな気配一切ないです。……正直倦怠期ってやつですかね……互いに惰性で一緒にいるのかも」


「……そっか」


先輩は、少しぎこちない声で返してきた。

私は、一瞬答えに詰まった自分に引いてしまう。

でもそれは彼への罪悪感でなく、先輩に下心見透かされていないか心配になったから。

フリーならチャンス? なんて一瞬でも思った自分が恥ずかしくて堪らない。