「サラッと言うね~つまんね。でもよく休み取れたね」


「有休中に社長に強制出張させられたじゃん。急遽社長命令で再帰国って事にしてもらった。
貸しは、作っとくもんだな」


「ああ、美愛ちゃんが病気の時。海、超怒ってたもんね。でも美愛ちゃん具合悪いのに、家に送らなくていいの?」


先輩は、その問いに対し私の肩を抱き寄せまた大きな掌で熱を計る。


「うん、さっきも今も平熱。ただの逃げる口実、少し休めば大丈夫だろ。展望デッキでイルミネーションやってて凄く綺麗らしいから
どうかなと思って」


「行きたい!」


先輩のお誘いに打って返すように答えると、先輩も弾けるような笑みを返す。


「よかった。じゃ寝てきなよ」


すぐにシートベルトを外し真ん中に移動した先輩は、私の頭をその広い肩に引き寄せてくれる。