そんな私に、皆揃って疑いと非難の眼差しを投げ掛けてきた。

こんなに冷たい視線を一気に浴びるのは初めてで、完全に冷凍状態になる。

先輩は、そんな私を先程まで座っていた後方の椅子に丁寧に座らせると、私の前に立ち塞がるように立つ。


｢それは、違う。美愛ちゃんは、もうとっくに彼に別れを告げてた。でも彼が、それを拒否し続けていたんだ。指輪は、確かに僕が渡した物で僕がしてる物とペアだよ。新しい物を渡したのは、僕が彼女の指輪を不注意で無くしたから。京都での撮影中、僕が彼女のサイズを知りたくて指輪を見せてもらった時、不注意で池に落としてしまったんだ。指輪は、勝手に僕がペアを購入した。単に僕が、美愛ちゃんとペアしたかったからで、玉の輿避けの為にって理由作って使用許可もらったんだ｣