相葉先輩は、そんな私の両頬をグイッと上げ、真正面から強く真実を宿した目で見てくる。


「美愛ちゃんは、悪くない! 絶対に悪くない! だから罪悪感なんて感じちゃダメだよ。……身勝手は、類君の方だよ。今更何がプロポーズだ。……いい? 絶対にひとりで会いに行っちゃダメだよ。約束して!」


相葉先輩の珍しく鬼気迫る顔付きに迫力負けした私は、思わず首を縦に振る。


「絶対約束だよ! 破ったら……絶交だからなっ!」


その小学生みたいなセリフと拗ねて唇を尖らせる姿が、あまりに可笑しくてもう爆笑!

涙が出るくらい可愛くて、笑いこける私につられたように先輩も一緒になって笑い、夜の店内の片隅を眩しく暖かい太陽の笑顔で照らしてくれた。