頭では、合鍵返却後に先輩と……そう何度も思うけど、もう戻れやしない。

先輩のいない日々なんて考えられない。

この愛しさは、絶対に消せやしない。

もう止めることも出来ない。

先輩は、私の日常になくてはならない存在なの。

そんな言い訳して正当化する自分を自己中と失笑するけれどいい。

先輩のいない明日はいらない、戻らないと決めたから。

よし! 帰ろう!

サロンでの打ち合わせ後、ゆっくり片付けながら立ち上がるとふいに冷たい空気が流れて来る。

ふと顔を上げると、相葉先輩が入口から私に笑顔で手を上げていて、私も同じく笑顔で手を振り返した。