「……な、何考えてるんですか?」


「熱いリクエストに御応えしようかと思って。美愛の事だけ……もう俺の頭ん中、美愛で溢れ返ってる。……美愛も俺の全てが見たくて欲しいんだろ?」


ひ、飛躍しすぎ!

やっとキスまで辿り着いたばかりなのに、いきなり!?

しかも会社なんて有り得ない上、更に社長室なんて超無限大に有り得ない!!


「……冗談ですよね?」


お願い! ……冗談と言って。


「……勿論。けど会社でプロポーズされてる美愛が悪い。悪い虫が付かないよう超念込めて、俺の印付けといた」


「……」


その悪~い笑みに、力が抜けヘナヘナ……と座り込むと、先輩はすぐにボタンを留めスカーフとネクタイを素早く直し鍵とドアを開けた。

そしてスッと私を抱き上げ、何事もなかった顔で廊下に出て行く。


「出来ることなら今すぐ体中に刻み付けたいくらいだ。……今君は貧血中。俺にもたれてて」