*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

キスされる!?

唇が重なる直前、前に置かれた綺麗な猫脚のアンティーク風テーブルに、何か物が落ちた音がした。

驚きの余り弾かれたように椅子を下げて立ち上がるが、勢い余ってふらついてしまいまた椅子に腰掛けてしまう。

再びシーンと静まり返ったサロンを生きた心地なく見回すが、人の気配は感じられない。

左の課長を見ると、課長も酷く緊張した顔で私を見つめてきた。

でもすぐにアンテナを張り巡らすように人の気配を探り始めた時、右側の重厚な階段の上段から微かな足音が聴こえてきた。

目を向けた瞬間、本気で心臓が止まるかと思うほど驚いた。

なぜなら先輩が、恐ろしいほど険しい表情でこちらを見ながら階段を降りて来ていたから。