*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

そんな時、先輩に再会した。

先輩との時間が一秒増えるごとに、凍った想いは一粒一粒溶け始め流れ出してしまった。

そして必死に守っていた類への微かな灯火を、先輩はいとも簡単に消し去ってしまった。

そしてしみじみ思う、恋は麻薬のようだと。

好きと感じる度にのめり込みどんどん抜け出せなくなる。

思えば先輩からは、未来の約束なんて何もない。

ただ先輩へと真っ直ぐ突き進む熱く甘い恋心と期待を無防備に抱え、長く動けずにいた類との関係にあっさり別れを切り出していた。

不安と怖れを感じないふりして、懸命に明るい未来だけにシフトするよう努めていた。