*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

「すみません。こ満足頂けなくて」


私の謝罪に、課長はまた大きな息を吐きながら裏口に続く小路で立ち止まり、周囲に人がいないのを確認すると実に不本意な顔で見下ろしてきた。

でもすぐに苦笑いしてる。


「そうじゃなくて……五年逃げてたツケが回ってきたな。……今夜空いてる?」


今夜? ……飲み会打ち合わせか。

今夜は勘弁というか、先輩がいる間は約束入れたくない。


「しばらくは……プライベートの方でちょっと。飲み会急ぎませんから」


「別件。……お前、彼氏と上手くいってないだろ……だと思った。……いいや、また張るから」


なぜか最後は嬉し気に笑って私の頭に手を当てると、先に裏口へと歩いて行った。