相葉先輩……知ってたの?

いつから……? ……何か答えなきゃ。


「何? 急に」


「……ずっと知ってたよ。俺も美愛ちゃんを見てたからね。……ごめん、知ってて告白もした。……本当にごめん」


そんな……謝らないで。

先輩が、謝ることじゃない。

先輩が、悪いわけじゃない。

ただ……あの夜のあまりにやりきれない想いが甦り、また哀しみが奥底から渦巻いて上がってきた。

それは、涙として両目から溢れ出してくる。

もうどう答えていいのかわからなくて、必死に首を左右に振りまくることしか出来ない。


「俺……すっげ卑怯な男だった。美愛ちゃんを誰にもとられたくなくて……しかもあんな酷いこと……本当にごめん、ごめんね。ずっとずっと謝りたかったんだ」