*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

先輩の表情や声から今の言葉に嘘など微塵も感じられなかった。

胸が、震えるほどに嬉しかった。

それなのにパッとまた頭に昨夜の二人がクローズアップされ一瞬で冷たい谷底に叩き付けられた気がした。

見なければよかった…… 見なければ先輩の全てを素直に受け入れること出来ただろうに。

しかもあのタイミングで着信……夢の時間終了を告げられた気がした。

頭では、倦怠期と言えど彼氏持ちの私に責める権利ないとわかっていながらも、嫉妬や怖れ、哀しみのネガティブな想いが複雑に絡み合い完全に自分を見失っていた私は泣きながら感情をぶつけたくなる。


「そんなの無理に決まってるじゃないですか。すぐニューヨークに帰っちゃうくせに。会いたい時すぐ会えない距離なのに」


そしていとも簡単にぶつけてしまった。