*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

でもハッとして、すぐ隣にある肩に顔を埋める。


「私、演技派女優になれる?」


冗談ぽく言ってみるけど、何の反応もないことに少し緊張が高まる。


「……かもね。俺は、絶対無理」


その声は、哀愁漂い切なさを誘う。

いやいやハリウッドスターもびっくりの熱演ですよ。

レッドカーペットも夢じゃない。


「では、行きま~す」


「……さ、集中集中」


「はい」


柔らかな東の陽を浴びる横顔は、感嘆の息が出そうなほどに美しくも儚げで、どことなく切ない。

どうか朝の光よ…… 先輩の内を柔かな光で満たし、優しく癒してくれますように。