*Dear……*~ハイスペック男子と甘いLove Storyを~

先輩に手を引かれながらゆっくりと池に到着。

池の畔の紅葉の鮮やかさに心奪われつつ堀さんの指示に従うと、次々に爽快なシャッター音が聞こえてくる。

こんなにも連続シャッター音が心地良いなんて……最高のBGMに感じるのも初めて。


「空も紅葉も最高に綺麗だ。……でも何より美愛が一番綺麗だよ」


美しい紅葉を背景に、互いに背を向けてのショットの撮影中、先輩の小声に振り向き仰ぐと、すぐに先輩も私を見た。

でもすぐに照れたようにまた前を見る。

……もうくすぐったくて堪らない。

こんなふうに褒められるの初めて。

嘘でも演技でも先輩だから嬉しい。

夢見心地にどっぷりの私は、正気じゃ絶対言えない想いを素直に口にしたくなる。