『…、私に何の用……。』


静かに問うと、一筋の風が吹き荒れた。





「俺らは…」


そして静かに口を開いた朱弦。







「上社 藍。
一つ聞きたいことがあってお前を探していた。」




「お前…


何故、全く


”気”が感じれないんだ?」








『…。』


『…どういう意味?
あなたの言っている意味がよくわからないのだけれど…』





「あ?え?…おい。」


「んむ。その様子だと何も知らないのでは?」


「俺らの勘違いか?そういう人もいるってことか…」


「そのようですね。」


「何々?仲間にできると思ったのに違ったの?」

「そうみたい…」




4人のがヒソヒソとよくわからない会話をする。



『もう良いかしら?』


「あ、あぁ…」


朱弦の返事を聞いて裏庭から立ち去る藍。











『岑阮…』


静かに呼ぶと


【主。】


そうしっかりと返事が聞えた。
声の出先は藍の中。

岑阮は藍の中で生活し、昼夜ともに行動している。





岑阮は藍が小さいころに誓約した式之神(シキノカミ)であり、藍の唯一の友達なのだ。




『岑阮、お前が言った意味がよく分かった。』


【主、あやつら…。】


『うん、”気”がわかるという事は気孔氏…
陰陽師のやつら…。』


【主…。】


『私は、あいつらとは関わらない。
たとえ同じ








陰陽師だとしても。』







『もう力は使わないと

決めたのだから。』





そう強く決意をした藍の目は黒く澄んでいた。






【我は、主と共にあり。
主が戦いを求めないのではあれば、ただ近くにいて共に過ごすのみ…。】



『ありがとう、岑阮…。』








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